たまたま、僕は音楽が好きで、音楽をやっていたくて、音楽ばかりをやっとった。
たまたま、やりたいことをやっていたらこうなったんよね。
そらもう、もっと向上心があって社会に興味があって勉強が好きで、例えば弁護士になりたいとか、公認会計士になりたいとか、国際社会で活躍したいとか人と関わりたいとか、そんなような人たちはやっぱりやりたいからやってきてこうなったんであって、そういう意味では僕とそんなに変わりないのかも、と思ったりするんよ。
たまたま僕は内側を向いていて、彼らは外側を向いていた。
それだけのことなんよ。
僕は頭を使ってどうのこうのするんが苦手だもんで、そういうのって彼らに任しといたらいいんよね。
今さら焦って知識詰め込んで賢くなろうと思ったって、そんなん無理でイタイだけやもんね。
分かっとるんよ。
人には向き不向きっちゅうもんがあって、それはもうここまで来ちゃうとバカや賢いの区別とか、幼いか大人かの区別とか、そういうのを乗り越えられん気がするんよ。
社会には社会が求める人材っちゅうのがあって、それは人間としての基礎的能力と、プラスアルファでその人の個人的に優れた能力を兼ね備えた人材なんよね。
友達とかといると何となくわかるんよ。
ああ、こういう人間を、社会は欲しているんやなって。
僕はなあ、個人的に優れた能力の方だけ変な方向に伸びてしまったタチの人間なんじゃ。
だから多くの大企業や中小企業にも、必要とされないんよね。
何かくよくよしちょるし。
物好きのベンチャーとか、そういうところにやっと興味を持ってもらえるくらいの、そういう社会にうまく適合できない人間に思えるんじゃ。
しょうがないんよね。
たまたま社会に迎合されないだけなんじゃ。