僕はゼミでコーポレート・ガバナンスについて研究している。
コーポレート・ガバナンスは「企業統治」と訳され、会社の株主(投資者。会社の所有者)の利益を確保するためにはどうすればよいか、いやいやあんた株主の利益だけ考えてればそれでええんかいな、みたいなことを勉強している。
もう少し具体的に言えば、経営者をいかに監視していくかだ。
経営者がおかしなことをして誰かに迷惑をかけないように、誰かが監視しなくてはいけなくて、それを誰がやるのか、どうやって監視するのか、ということを学んでいる。
日本企業の多くは複数の取締役が取締役会を構成して、経営に関する意思決定を行う。
そしてそれを執行するのが代表取締役(社長であることがほとんど)である。
ところが英米をはじめほとんどの先進国において取締役会の役割は経営会議ではなく、経営の監視である。
取締役会とは本来、そのためにあるものなのだ。
では日本では誰が経営を監視しているのか。
多くの企業が「監査役設置会社」あるいは「監査役会設置会社」の形態をとり、取締役とは異なる「監査役」という役員が経営の監視を行っている。
でも、それがあまり機能していない・・・じゃあどうしたらいい?
ということを研究しているのだが。
取締役にしても監査役にしても、報酬をもらって「経営の監視」という仕事を行っているわけである。
「お金あげるから、僕が変なことしないように見張ってて下さいね」というシステムである。
当然任期があるわけで、「こいつはちゃんと監視できないやつだ」と思われると、報酬がもらえなくなる。
それってちゃんと客観的な視点をもって監視できないようなシステムになってると思うんだが。
わかりやすく言うと、内部告発すると自分の生計が危ぶまれるのと同じようなもので、会社からお金をもらっている限り会社を甘い目で見てしまうような気がするのだが。
その「監視をする人」を選ぶ手段もまた問題であって、株主総会の議決で選ぶのか、取締役会決議で選ぶのか。
その選び方によって「監視をする人」自身のインセンティブも左右されてしまう。
国政もそうだけど、「いいこと」やるんだったら「いい人」にタダでやってもらわないと。
金というインセンティブが発生するとひいきや偏見が入ってしまう。
と思う。
タイトルは言ってみたかっただけ。