のなめブログ

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恐ろしく長い一日(4)

「君、あんなところで何やってたの?」

当然の質問であった。 僕はもう服を全て着ていた。小さな駐在所に、僕と30代くらいのお巡りさんと50代くらいのお巡りさんがいた。僕はやっと精神的に落ち着いてきた。だが頭はまだ混乱していて、自分がいかにしてこの場にいるのか、ちゃんと把握することができなかった。

「君、いくつなの?」

若い方が聞いてきた。若いがアリクイのような顔立ちで、全然モテないだろうなと思った。

「君、自分が何したかわかるか?」

今度はおじさんの方が聞いてきた。おじさんは体格も大きく貫禄があって、目だけは優しそうなものの全体が威圧的な雰囲気を出していた。ここでようやく、僕は今取り調べを受けているのだとわかった。次の質問には答えよう。

「君、言葉はわかるよね?日本人だろ?アーユージャパニーズ?」

アーユージャパニーズ?と聞かれると答えづらいな、と思った。だが我慢して答えた。

「わかります。日本人です。」

「ホラ喋ったよ。」

とおじさんはアリクイに確認して、続けた。

「君、何という名前なの?」

「東谷です。」

「下の名前は?」

「諒です。」

麻美と初めて喋った時のやりとりと同じだった。あの時は電話だったのだけど。

「そうか。で、あそこで何してたの?」

これには黙り込んだ。

「東谷さん、歳は?」

アリクイはさっきと同じ質問をした。

「17です。」

「17歳か。高校生?」

「はい。」

ごめんね麻美。こんな俺でごめんね。

「この辺に住んでるの?」

「いや、武蔵境のちょっと先です。」

「そうか。で、何であんなところであんなことしてたの?」

麻美。せっかく麻美が俺のことを好きになってくれたのに、俺は変なことばかり考えていて…。本当だめだよ。ごめん。

「最近の若い人の趣味っていうのはよくわからないけどな、」

とおじさんがゆっくり話し始めた。

「公園でああいうことするのはな、犯罪になっちゃうんだよ。」

違うんだ。外でするのが好きなんじゃない。露出するのが好きというのでもない。

「公然猥褻って知ってるだろう?スマップが捕まったやつだよ。あれと同じでさ」

「セックスしたかったんです。」

僕がそう言った時、二人の顔が変わった。キョトンとしたようであった。

「趣味ということじゃないんです…」