女子の恋ばなの中には「彼氏さん」という単語が登場する。
「彼氏」という一般名詞の後ろに、「さん」という人名の後ろにつける言葉を付けている。
用法としては、「〇〇の彼氏さんって背が高いよねー」などである。
だが男子の会話の中では「お前の彼女さんいいファッションセンスしてるよね」とは言わない。
女子は彼氏にも彼女にも「さん」をつけるのに、男子は彼氏にも彼女にも「さん」をつけない。
女子が「さん」をつける理由としては、もともとは「謙遜心」とか「丁寧さ」の意味を込めたものだろうと思われるが、今や多くの人はそれを特に意識せず「みんな付けているから」付けているんだろう。
だが当然にこれは間違っているというべきだ。
僕は彼氏であり、東山さんでもあるが、彼氏さんではないのだ。
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「お客様、何名様でいらっしゃいますか」
よく考えてみれば「お客様」もおかしなように聞こえてくるのだけど、それより問題なのは「何名様」だ。
お分かりの通り、「様」は人名につけるもの。
「何名」は人数の程度を表すもの。
人数の程度に「様」をつけてどうするというのだ、一体。
だがこれも残念ながら全国の飲食店に蔓延しており、世間的には「正しい」ということになっている。
僕が正しいとか間違っているとか、世間が正しいとか間違っているとか、そういうのはどうでもいいことであって、大事なのはこれを読んだあなたが「本当に正しいもの」を見つけるということなんではないのかな。
正しい日本語の使い方なんてのは本当に初歩的なことであって、もっともっと僕は色んなことを意識してほしい。