AV女優のブログというものをたまに見たりする。
今日はこんな料理を作った。
今日はあそこへ行って洋服を買った。
今日は撮影の仕事でこんな衣装を着た。
今日は久々に友達と会った。
そんな内容の文章が、キラキラの絵文字やハッピーな写真とともに載せられているのである。
まるでアイドルやなぁと思う。
少し前の―僕が合法的にAVを観ることができるようになる少し前の―AV女優というのはそんなものではなかった。
堂々と世間に出られるものではなかった。
アダルトビデオという存在自体が社会的に疎まれるもので、いわばタブーの世界であり、そういう類のビデオは「ヘンなビデオ」と言われた。
それがこのところのアダルト業界は以前と比べて大衆化し(インターネットの普及が大きな要因か)、世間の偏見も強いものではなくなってきた。
日本のビデオ作品はモザイクがかかっているものの実に多様化しており、外国からの定評が高い。
女優自身も変わってきた。
以前の女優は「いかにも!」といった感じの顔立ち、メイク、衣装、声、雰囲気を持っていた。
それが今はどうだろうか。
「えっ、こんな娘が…!?」という印象の女の子が山ほどいる。
それこそアイドル並にかわいい女の子から、その辺を歩いているような普通の女の子(本当にその辺の素人というものもある)など、現実世界にグッと近づいた感が強い。
しかも前みたいに「お金がないから出演する」のではなく「好きだから出演する」のである。
つまり簡単に言えばアダルトが「普通」になってきたのである。
AV女優もどんどんアイドルになっていく。
しかもアイドルとは違ってセックスを仕事としているので、ブログでもセックスのことを赤裸々に語ることもある。
それがいいことなのかどうなのかはよくわからないけど、こういうのを冷静な気持ちで見られるようになった僕は成長したなあと思う。
応援はしないけど非難もしないのだ。