眠れないのは何故だろう
今日もまた遅刻してしまった。
朝の4時過ぎまで彼岸過迄を読んでいた。
そうして寝坊した。
今日は何故かダムドを聴きながら大学に来た。
寝不足だか授業には集中していた。
途中でわからなくなってしまったので、ノートに小さく「あーもーわかんない」と書いて、授業を理解するのを諦めた。
授業は間もなく終了した。
僕は岩みたいな硬くて座り心地の悪いベンチに腰掛けて、家から持ってきたクリームパンを食べながらコーヒーを飲んだ。
最近こんな食事ばかりで、不健康極まりないと思う。
僕は誰かと会うたびに、あまり変わっていないのに「あれ、痩せた?」と言われる。
しかし今回ばかりは本当に痩せた気がする。
「痩せた」のではなく「こけた」という感じだ。
食欲はあるのに「食べたい」と思う気持ちが強くない。
親の管理下にありながらこのザマでは、本当に独立できるのかと不安になる。
食事を済ませて、僕はイーグルスを聴きながら人間観察をした。
よく「人間観察をするのが好き」なんて言う人がいるけど、僕はそういう人間のうちの一人ではない。
ただ単に目の前を過ぎ行く若い女たちに点数をつけて評価する、という面白みも何もないことをしたくなったのだ。
僕は女に対してそれほど辛口評価はしない人間だが、今日は赤点だらけでつまらないと思った。
何故僕は「独り」という道を選んだのだろう。
僕が期待していた「充実」とはどんなもののことを言っていたのだろう。
降るのか晴れるのかはっきりしない空の下、痩せこけた頬に生える剃り残しの髭をさすりながら、何かボーッとしてしまうのだった。