5月が終わろうとしている。
就活に対する意識の高め方は、当初の予定より遅れている。
焦る時もあれば焦らない時もある。
よく分かっていないのだ。
大人になるということも、大人になるための準備の過程も、何だかよく分かっていないのだ。
自分の性格は痛いほどよく分かっているつもりだが、短所を克服しようにも遅い気がするし、長所に自信を持とうにも疲れる。
忙しいのは嫌いだ。
頭が忙しいのも、心が忙しいのも、体が忙しいのも、全部嫌いだ。
明後日はTOEICのテストで、来週の水曜日はゼミの発表だ。
インターンの申し込みだか何だかも、期限が近いことを忘れてはいけない。
今日は朝からバイトをしてきた。
午後はTOEICなりゼミなりの勉強をするつもりだった。
帰って好物のたらこスパゲティを食べて、コーヒーなんかを飲みながら休憩していたらもう、やるべきことをやりたくなくなってしまった。
しょうがないので夏目漱石を読んだ。
やるべきことではないが、無駄な時間の使い方というわけでもなかろう。
だが20~30ページほど読んだところで集中力が切れた。
母とのんびり世間話でもしようかと思い部屋に入るなり、母は公務員の話をし始めた。
母はまだ僕を公務員にしたいらしい。
著しく気分を害したので、「これだから嫌だ、全く」と言い捨てて散歩に出かけた。
それは悪い癖だ。
分かっている。
色々考える時間を設けるとは自己を正当化するための口実であって、現実から逃げているだけなのだ。
でもやりたくない時にやりたくないことはできない。
僕はいつまでも子供だ。
天気は良くなかった。
膝をいため、前髪をカールさせる嫌な空気だ。
眠たいような狂気じみたような、サイケデリックな夕刻である。
行く先を国分寺に選んだのには理由があった。
クレジットカードの支払いを早く済ませたかった。
本屋に行きたかった。
珍屋に行きたかった。
ドコモショップに行きたかった。
クレジットカードは、まだ支払いができなかった。
ドコモショップは、お姉さんが丁寧な説明をしてくれた。
本屋で見たかったのは就活関連の本だったが、就活コーナーに立つ自分が嫌で結局買わなかった。
珍屋でサイケなCDを買おうかと思ったが、30分くらい回って何も買わなかった。
金を使いたかったのだろう。
ストレス解消のために。
しかしそんな金の使い方をしては、お金にも買った物にも申し訳ない。
とか何とか言って結局はケチなのである。
明日は勉強をしようか