ちょっとした事情があっておつかいを頼まれ、近所のコープで買い物をした。
買う物は、人参、玉ねぎ、福神漬、カレールー、緑茶。
このヒントで今夜の我が家の食事が何であるか、容易に想像がつくだろう。
そう、答えはカレーだ。
ただし緑茶は隠し味とかいう使い方をするのではなく、普通に飲むためである。
しかしその問題の答えは簡単であっても、あの広いスーパーの中でわずか幅15センチ程度の福神漬の場所を見つけるのは、僕にとって至難のわざだったのである。
一般的に男性は女性と比べて物を探す能力が劣っていると言われているが、僕もその一般法則に逆らうことなく、探すのが下手くそな人種のうちの一人なのである。
一体福神漬はどこにあるのか。
スーパーの中をうろつき回っていても、いたずらに時間は過ぎていくばかりである。
しかも、他の買い物客に自分が福神漬を探していることがわからないように探さなければならないのだ。
何故なら福神漬を必死に探し回る姿は傍から見たらチョット恥ずかしいからである。
そうしてスーパーの中をまわって、3周目に取り掛かろうかというところでついに福神漬を発見した。
これでやっと福神漬の乗ったおいしいカレーが食べられる、と安堵した。
福神漬はカレールーの近くにあるのではない、ということを僕は学習したのだ。
漬物コーナーがもっと早い段階で見つかっていたら、これほどスーパーをぐるぐるする必要はなかったのに。