僕が新歓ライブでひぃひぃ言いながらドラムを叩いている時に、秋葉原ですごいことが起きていたらしい。
男が歩行者天国にトラックで突っ込んで3人殺して、その後4人を刺殺。
男はとても「病んでいた」ようで。
犯行前に男はインターネットで、よく彼女が出来ないことを嘆いていた、ってテレビが言っていた。
残念ながら僕は彼の気持ちがすんなり受け入れられてしまう。
僕の方がたまたま勇気がなくて、理性が強かっただけのこと。
もし僕に勇気があって理性が弱ければ、僕があいつになっていたかもしれない。
日本中に同じような人が他にも何人もいるだろ。
たまたまあいつがやってしまった。
バカだ。
本当にそれをやっちゃうのは、バカなんだよ。
僕だって散々圧力をかけられてきた社会というものに、腹いせに危害を加えたいと思うし、道行く人をこの細い腕でボコボコにしてやりたいと思うことはしょっちゅうある。
でもやっちゃだめなんだ。
僕らはやられっぱなしでなくてはならない。
殴るくらいなら殴られないと、苦しめるくらいなら苦しまないと、殺すくらいなら殺されないと、秩序が成り立たない。
現代社会は恋人の出来たことがない人に対しての圧力が強すぎると思う。
誰も何も僕らに害を与えようとしなかったとしても、僕らは日々ものすごい圧迫感を感じながら生きている。
それは、社会全体が「恋人なんて出来て当たり前」になっていて、僕らのような人間は自動的に、自然に排除されようというムーヴメントになっているのだ。
恋人なんて出来ないのが当たり前じゃないか。
半世紀前はそうだった。
結婚した人が最初に付き合った人で、それもお見合いでの出会いだ。
自然に生きていれば人間は独りなのだ。
何で彼らが普通で僕が「オカシイ」のか。
何で彼らは僕を抹殺しようとするのか。
「何が彼をこうさせてしまったんでしょうかねぇ」などとほざいているテレビのバカコメンテーターには、自分の罪が理解出来ないだろう。