僕は中三のときに剣道部をやめて高一でバンドの部活に入ったが、剣道をやめたのは音楽がやりたかったからではない。
剣道をやめたかったからだ。
練習が厳しかった(僕にとってはな)し、部員が嫌いだった。
同学年も嫌いだったし先輩はもちろん後輩も嫌いだった。
部員に会うだけで鬱な気持ちになった。
剣道場を通るだけで鬱な気持ちになった。
だいたい「運動」というもの自体僕の体にはまったく合わないし、それも「人に合わせなければならない」というのがまた無理なところだった。
筋力・体力ともに人の半分しかなかった(中学入学当時は何と握力が一ケタ台だった)ので、その体でみんなと同じメニューをこなせるわけがなかった。
人の倍努力すればよかったのかもしれないが、そこは精神力の弱さだった。
とにかく部活のある日は「逃げたい逃げたい・・・」と思い続け、サボってしまった日は「本当に根性無しだ」と自分を責めるのだった。
部活をやめてその苦から解き放たれると、自由を手に入れ「継続は力なり」を批判するようになった。
「楽しいことだけやってれば正解」という甘い誘惑に乗せられて、今でも根性のかけらもありません。
苦と楽、二つの道があればたとえ苦の先に楽園があろうとも小手先の利益にとらわれて楽な方を選ぶ。
将来のために運動しないし野菜食べないし勉強しない。
嫌な事を続けられる人ってのはすげーと思います。