Oasisのライブパフォーマンスを観られなくなった。
世界トップに君臨するロックバンドが消えてしまったのだ。
どうせまた仲直りして僕たちの前に姿を現すのだろうなんて淡い期待を抱いてから一年は経っている。
リアムは新バンドでOasisを超えるんだとか言いながらファッションブランドを立ち上げている。
ノエルは何をしているんだかわからない。
いずれにしても、彼らが同じステージに立ち、Oasisとしてファンの前で素晴らしい演奏をするということは期待できなそうである。
このことにがっかりしているのは日本のファンも同じ。
彼らは行き場を失っている。
Oasisのフォロワーとも言うべきUK ロックバンドは他にいくらでもあるが、どれもちょっとつまらないものばかり。
生粋のロックンロールファンをうならすことはできないような若造ばかりなのである。
かくいう筆者もこの現状に困り果てていた。
もう、Oasisの代わりバンドを見つけようとするのなんかやめてしまおうと何度も思った。
そんなある日、偶然僕は見つけてしまったのである。
ポストOasisともいうべき、素晴らしいロックンロールバンドが日本に、しかも東京の、吉祥寺周辺という比較的アクセスに便利な地域周辺にいたのだ。
彼らの名前はStarlight。
僕がポストOasisと言ったのは、彼らの曲に「今週で3回目」という曲があり、これが非常にOasisから良い要素を盗み取って自分たちで消化して表現しているからなのである。
Oasisがあらゆる先行バンドを崇拝していたのが楽曲にそのまま滲み出ていたように。Starlightもまた、先人たちを良い意味でパクって自分のものにしている(パクリに良いも悪いもないんだけど)。
だからよく楽曲を聴いているうちに、これはただのポストOasisではないということに気づかされるのだ。
Starlightが気になって夜も眠れない僕は、彼らのことを調べぬいた。
結成は2008年の暮れで、若干のメンバーチェンジがあって現在は平田氏(GV)、ひが氏(B)、中川氏(D)の3人から構成されている。
もともと平田、ひが氏が組んでいたThe Musiciansというバンドも最高といえば最高のバンドだが、Starlightになっていくつか変化した点がある。
大きな点といえば、楽曲のコンポーザーである。
The Musicians時代はその楽曲の8割をひが氏が作っていたが、Starlightになってからは平田氏が提供する楽曲が多い。
この点について、ひが氏は「歌詞が書けなくなったんだ」と語っている。
と同時に、「平田のライティング能力がアップしたんだ」とも語っている。
実際The Musicians時代の平田氏提供の楽曲はスパイス的な要素が強かった。
代打では威力を発揮するがスタメンに起用できないようなイメージが僕にはあった("片手間"は別)。
しかしStarlightでの平田氏はどんな場面、打球にも対応できる広角・・・いや野球に例えるのはやめよう。
とにかく良い意味で彼の曲は大衆的になったし、センスも良くなった。
それから、The Musicians時代にはほとんどなかったカヴァー楽曲がStarlightにはある。
その点を考えるとやはりコンポーザーの転換というのは大きな要素である。
それから、ライブパフォーマンスが変わった。
見せるパフォーマンスから聞かせるパフォーマンスとでも言うべきか。
言い方によっては、視覚的には地味になったかもしれない。
しかし逆に言えばそれほど楽曲に自信を持っているということなのだろう。
外見より中身で勝負するというバンドなのだ。
まだまだ若いのに貫禄すら感じさせるな。
彼らの代表曲といえばMyspaceにもあげられている「アメリカン」だが、どう聴いてもブリティッシュハードロックなので面白い。
E D C Dというコード進行を繰り返す「未来」も違った方向でのブリティッシュハードロックを感じさせる。
かと思えば「あはん」のようなキンキーでポップなロックや、新曲「きっと大丈夫」というポール・ウェラーな・・・って全部ブリティッシュロックじゃないか。
結局彼らはとってもブリブリしているのである。
ただし歌詞はほとんど日本語だ。
一部「Yeah」などの英語が含まれているが、平田氏もひが氏も英語堪能ではないので、英語の詞は書けないらしい。
ひが氏に至っては日本語すら書けないんだもの、Yeah!
そしてここから言うことはかなり重要なことだが、Starlightは近々ロックコンサートに出演するらしい。
2010年10/26(火)
@吉祥寺 曼荼羅
Open 18:30
Start 19:00
Price 1000Y+2D
寡作バンドというかぐうたらなのか、あまり活動していないので、ライブに出演すること自体が珍しい。
それだけにきっと、行かなければ一生後悔するライブになるだろう。
僕はもちろん観に行く。
彼らがどんなパフォーマンスをしてくれるのか、楽しみで仕方がないのである!