交通量調査バイト at 立川
立川で一緒にカチカチした人は非常にいい人であった。
一日ずっと一緒に仕事をするわけだから、仲良くしておこうと前々から意気込んでいたのもあって、結構話し込んだ。
彼は元社会人で色々を経験しており、また何かと知識も持っていたので、話を聞いていて興味深いと思った。
これに対して僕は話の引き出しを持っていないから、とにかく聞き手に回っていた。
彼の引き出す話に対して僕がコメントをちょろっと述べ、話が途切れたらまたこちらから何か質問をして話を引き出させるというスタイルのコミュニケーションだった。
こっちから引き出す話というのはほとんどないけれど、それでもコミュニケーションとして成り立つのだなぁと思った。
交通量調査バイト at 代々木
立川のときとは違って3人一組での仕事だった。
一人はプロの漫画家だと言っていた。
これは何か面白い話を持っているに違いないと思い、前回の作戦通りやたらと質問をふっかけてみたが、彼はその質問に対する答えだけを言うのだった。
「漫画家さんって、時間的には結構余裕がある職業なんじゃないですか?」
「・・・ええまあ、そうですね、会社員とかに比べれば。」
「時間のあるときは外に出たりとか?」
「・・・いやっ、別に家にいますね・・・。」
「アイディア出すために外を散歩したり旅に出たりしないんですか?」
「・・・いやっ、家の中で考えてますね・・・。」
まるでインタビューであった。
お互いに話の引き出しがないので仕方ないといえば仕方ないが、コミュニケーション能力の無い人というのはこういう人のことをいうのかなと思った。
もう一人はフリーターだった。
僕の大学を卒業し社会人になったが病気退社し、現在は療養しながらフリーターをやっているとかいう人だった。
「そう・・・っすね~」
が口癖で大変バカっぽい喋り方だなぁと思った。
彼はこちらが質問すればちゃんと答えてくれるし、向こうからこちらへ質問をし返してくれた。
だがあくまでも「そう・・・っすね~」であって、話していて面白くはなかった。
コミュニケーションがとれただけで、その能力が高いとは思えなかった。
かくいう自分もまあ所詮そこまでの人間だということなのだけれど。
でも、立川のときに「君はコミュニケーション能力が高いから」と言われたときは驚いたなぁ