思想があまりに現実離れしていて閉じこもった人を見ては「あれではだめだ」と非難し、逆にあまりにも現実を見すぎて大人びた人を見ては「なんと冷酷な」と恐ろしくなる。
居心地がいいのは、そりゃその中間あたりにいる者なのだろう。
一部の現実を見て「現実とはこんなもの」と大人ぶるよりも、自分の想像に任せて「そういう現実もあるかもしれないがもしかしたら違うかもしれない」と考える方がよほど現実味があったりする。
主観を信じるか客観を信じるか、という問題はこれによく似ている気がする。
主観とは想像であり、客観とは現実である。
どちらの世界がワイドかといえば、実際は客観の方がワイドだが主観の方が可能性が広い。
「この世に絶対などない」と諦めた上での主観は恐らく強力だと思う。
客観はどうしても部分的な標的をそれ一点にだけ集中して見ようとするものだ。
「世間とは、君自身のことではないか」