のなめブログ

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濃縮還元

起きたら11時半だった。

大学は今日から授業が始まるが、僕は水曜日に授業を入れていないから学校に行かなくてよい。

だからこれだけ遅く起きても問題はなかった。

今日の予定といえば、夕方6時からバイトがあるくらい。

あ、それから、英語の履修の抽選があるから、といってもWeb上で申請をするだけなのだが、忘れないようにしなくてはならない。

起きてすぐに英語の申請はやってみたのだが、少し心配な点があったので事務室に行ってきいてこようと思った。

大学は遠いけど、まあどうせこのままうちでゴロゴロしていたってすぐに外に出たくなることだろうと思って、質問のためだけに学校へ向かった。

数日前に購入したAC/DCの「HIGH VOLTAGE」を聴きながら、これを聴かずに一生を終えてしまう人はそれだけで人生をいくらか損しているなと思った。

天気もいいしBGMもいいし、今日はわりかし気分が良い方だった。

準特急がなかったので、各駅停車の電車に乗って本を読んだ。

僕は本を読むのが非常に遅いので、一週間以上前に読み始めた夏目漱石の「それから」をまだ読み終わらない。

ようやくあと100ページというところだ。

ところで僕のウォークマンにはノイズ・キャンセリング機能という、まさに僕の為に作られたんじゃないかというくらいありがたい機能がついている。

それは周りの音をシャットアウトして、音楽だけがきこえるようにするという機能なのだが、僕が移動中に音楽を聴いているのはもちろん音楽が好きだからということもあるのだが、周りの人びとの楽しそうに喋る声や笑い声をききたくないからというのもかなり大きいだけに、この機能は非常にありがたい。

電車を降りるとあとはだいたい山を登れば学校に辿り着く。

車なんて通らないから、本が読めるなと思って歩きながら本を読むことにした。

聴覚情報を遮断し視覚情報も遮断して、自分を閉ざしながら学校に行くことに成功した。

大学に着くなり僕は法学部事務室には向かわずサークルのたまり場に行ってしまった。

これが悪いくせである。

他に依存できる場所を完全に失ってしまった僕は、とりあえずたまり場へ行ってしまう。

それだって何も得られないことはわかっているのだけど、心の隙間を埋められる可能性を持っているものにはついつい飛び込んでしまうのだ。

予想通り何も得るものはなく、その後事務室へ行ってきくべきことをきいてきた。

再びたまり場へ戻ってだらだらしていたのだが、ここにいても何にもならないので図書館へ行って本を読むことにした。

新学期だからなのかなんなのかわからないが、図書館はやけに人が多かった。

人が多いのが中央大学の悪いところだ。

せっかくあんなに広大な土地を持っていながら、人が集まるのはいつも同じ場所。

だいたい僕がうろつくようなあたりをみんなもうろついている。

少し「それから」を読み進めて、うとうとしてきたので半分寝ていたら5時近くになった。

少し早いけど、バイト先に向かうことにした。

AC/DCはアルバム一枚を聴き終えていて、次はNIRVANAの「IN UTERO」を聴きはじめていた。

僕がNIRVANAを聴くのはたいてい心が弱っているときだ。

寂しいの一言では言い表しきれない、もんもんとした不安感に襲われていたのだ。

誰かに頼ろうにも、誰にも頼れないあの嫌な感じだ。

天気も曇っている。

入ったばかりでまだ慣れていないだけにバイトの前は非常に嫌な心持がする。

それから何だか周りの人間がとても憎らしく見えてきて、僕の精神は色々とごちゃごちゃしていた。

府中へ帰る電車の中では、広告批評の先月号を読んでいた。

月が変わったのに読み終わっていなかったので少し読み進めておいた。

電車を降り、時間があったので本屋に寄って広告批評の最新号を買った。

それでもバイトまでにはまだ時間が余っていたが、とりあえずバイト先でゆっくりすればいいやと思って早めに行った。

広告批評を少し読んでいると、せっかく最近買い始めたというのに休刊するということがわかった。

とてもいい雑誌だと思うのだが。

それから、着替えてさあ仕事だと思ったら日にちを間違えていた。

バイトは今日ではなく、明日だった。

僕は恥ずかしいというのよりも、予定がなくなってしまったことのほうが問題だった。

どうしよう。

僕は予定を失って、それからまた孤独感と不安感に襲われて、とても恐ろしくなってとりあえずバンドのメンバーに電話をした。

彼は今日はこれからバイトだということで、会うことは出来なかった。

それから、今から会ってくれそうな人間を思い浮かべてみたがそれは何だかとても億劫で気が引けてしまって、しょうがなく黙って帰ることにした。

とにかく、男でも女でもいいから、できれば女の方がいいけど、誰でもいいからかまってもらいたくて、むしゃくしゃして少し遠回りをして帰った。

その途中でNIRVANAが終わってしまったので、次に何をかければ落ち着くことが出来るのか迷った挙句少年ナイフを聴いてみた。

しかしこういう気分のときに無理矢理明るい音楽を聴いてもどうにもならなかった。

家に帰ると母と妹がいて、しばらく孤独を忘れた。

それからTHE KINKSの「SOMETHING ELSE BY THE KINKS」とFREEの「TONS OF SOBS」を聴いた。

一日にアルバムを4枚通して聴くなんてなかなかない。

僕は明日からとうとう授業が始まってしまうけど、この様子ではいつ潰れてしまうかわからない。