ここ数日間の中でもショッキングな出来事は、"ささくれ"だ。
冬の風物詩といえば、唇の乾燥と割れ、肌の乾燥とカサカサ、爪付近のささくれ、身体の末端の血行不良と渋い顔などがあるが、この中で今シーズン経験していなかったのはささくれだけだった。
この冬は色々なことがあった。
イブの夜にはバイト先で男二人でケーキを食べた。
クリスマスの日には3人の観客を前に堂々とライブをした。
正月には家で二人お泊まり会があった。
テストにも耐えた。
クロマニヨンズのライブも観た。
雪も降った。
ひどい風邪もひいた。
新しい恋も始まった。
最後2つは嘘。
そんな色々なことがあった冬を、この10本の指は何一つ文句を言わず、ささくれないで耐えてきた。
あとひと月もすればそんな冬も終焉を迎える。
しかし、僕の人差し指と小指は耐えきれずささくれた。
指先に巻いたら血を止めてしまう絆創膏は絆創膏として失格じゃないかと思う。
間違えるより間違えない方がよかったのだろうとは思うけど、間違えたことはそんなに悪いことなのかはわからない。