Daisukeに会えれば他の人たちなんて正直どうでもよかったんだよ。
だから特に久々にみんなに会うのを楽しみにして行ったわけではないし、むしろみんなに会うのはちょっとしんどいからってことで何の用事もないのに途中から参加したしな。
他のクラスメイトは誰が来ることになってるのか知らなかったけど、チケットが売れればいいやぐらいにしか思ってなかった。
夜の11時半ごろ、新宿の駅で俺とKentaroはみんなと合流した。
ああ、こんなやついたな。
とか生意気に思っておきながら俺もおんなじようにそう思われていたことだろう。
みなさん茶髪だらけで誰が誰だかわからないくらいじゃないけど雰囲気違って見えるくらいでもないけど何か変な感じになってた。
そんな中俺とKentaroは見事にガングロの髪だ。
あとDaisukeもだけど。
先生だから当たり前か。
バイトをし、大学に入り、俺の人とのコミュニケーション能力も幾分成長したことだろうと思っていたけども通用しなかった。
話せないんだ、やっぱり。
俺にとって話しにくいような人なのか、ただ大人数が苦手なだけなのか。
KentaroやDaisukeとばっかり喋っていた。
高校も大学もこれじゃあ大して変わんないかもなぁ。
でも、何か落ち着く。
全然かまってもらえないんだけど、落ち着く。
居場所はないのに落ち着く。
何故??
高校時代は人間不信じゃなかったから??
嫌われる心配がないから??
確かに高校の時は好かれる理由もなかったが嫌われる理由もなかった。
それに今から考えると、最悪嫌われたとしても何ともなかった。
そこから来る安心感。
居場所はないのにホーム。
大学(特にサークル)は居場所はあるのにアウェイ。
「大学つまんない」とか「友達出来ない」とか「高校の方がいい」とか言う言葉をきいた瞬間、俺は高校の時何をやっていたんだと後悔した。
何だろう、上辺の付き合いを重ねるうちに上辺じゃなくなるんだろうか。
欲張りな俺はその段階を踏まずにその先を望んでいるだけのことだろうか。
でも俺の知り合いのなかには別に俺とそんなに深くまで仲良くなりたくはなくて上辺だけで満足するような割り切った人間もいて。
当たり前だけどそいつを俺は信用出来なくてそのうち嫌いになる。
大学にはそういった人間があまりにも多すぎて、俺はそういう人間だけで形成されている社会が気に入らなくて。
それが世の中なんだと思うようになって。
誰も信用出来なくなって。
でトイレの壁を殴って。
AM5:00ごろ小金井公園に一人でチャリで行ってバカ泣きして。
もうそんなことしないけど。
そのうち自分のすべてを信じてくれる人間がいるという風に信じることを教わった。
でもそれは自分にはわからないことであって、結局自分が直面している寂しい現実の世界を忘れてイメージの世界を覗くことで一瞬の間精神的に楽になるための方法でしかないような。
「俺と仲良くなる気がないやつ」とか生意気言っておきながら、俺自身サークルでヘラヘラキャラを確立して心のシャッターをピシャッと閉めちゃってるという実状。
結局人に嫌われないように、出来るだけいい感じのポジションでいられるように努力を重ねているだけで、それに関してはバイト先でも徹底している。
そこに多くの時間を費やしているから、単純に身を置く時間が長いから、寂しい思いをしないようにそうしているのだ。
もう、それもそれでいいんじゃないかって気が起こってくる。
自分は疲れるけど少しは世の中の足しになってるだろうし、まあいてもいなくても大して変わらないけどいてもいいかなぐらいのインテリアみたいな役割だけしてれば誰に迷惑をかけるわけでもなく生きられるので。
俺は自分色強いはずだけどそれさえもサービスとして提供できるから。
おいしい生き方かもね。
でKentaroがJINRO一本空けてる間に俺はただニコニコしながらお菓子と烏龍茶に助けられながら間を持たせて、そのうち合唱コンクールのビデオ鑑賞会が始まってからはKentaroとDaisukeと小難しい話をして、まあ結論から言うとヘッセを読めって話だったんだけどもさ。
それから脱落者が出始めるに従ってDaisukeルームはカオス状態に。
Kentaroまでいびきをかきはじめたときはもうどうしようかと思って。
いやどうしようって普通に帰って寝たわけだが。
チケット一枚も売れなかったよ。
で目が覚めて30分後にバイトしてたというTooハードな感じで。
バイトでも先輩に「ここのバイトで嫌いっていうか苦手な人いません??」(何故か敬語だし俺のことさん付けで呼ぶし)といきなり本気のカミングアウトをされて、いや俺相談聞きにバイト来たんじゃないし嫌いな人とか聞きたくないし(実名は聞かなかった)ていうかちゃんと仕事しろっていうか中華まんかホットスナックか鮮度管理かどれか一つくらいやれよって心の中で言いながらまあやり過ごしましたけどね!
何故同じ給料をもらっているのだ。
いや、もう愚痴はいい。
ここはmixiじゃないんだ。
こんな感じですかね。