人間は思わぬところで人を傷つけている。
かも知れない。
高二の時、俺と一緒にバンドを組んでいたD君…。
今でも仲がいい。
高三になってからもスタジオに行ったりした。
彼は当時自分のパートがあんまり上手じゃなかった(俺的意見)。
そして彼の態度を見ても、俺とバンドをやっていて楽しいのかどうかわからなかったし、大学に入った後にまた俺と組んでやっていけるか不安な部分もあった。
そんなところに、別のメンバーG君が、上手い人がいるよと言ってD君のパートがすごく上手い人を俺に紹介してくれた。
その人は小学校の時から習っていたらしく、上手いというよりも安定感があった。
俺とG君とその人でちょっと一回セッションしてみようってことになって、荻窪のスタジオに集結した。
やってみたら、音のバランスがとれててサウンド的には今までで最高だった。
「サウンド的には」。
G君は何となくその人とやっていきたいみたいな雰囲気を醸し出していたんだけど、俺は正直その人とやっていくのは無理だと思った。
その話に関しては
「いいかもねぇ」
なんて適当に頷いていた。
D君はこの時から、
「俺じゃなくても代わりはいるんだ」
って思い始めたみたい。
セッションするって言ったときにはD君にはちょっと悪い気がしてたけど、まあどうせ一回だけだし、D君も地元で微妙なバンドを組んでたこともあったらしいしと思ってやってみたんだよね。
まさかそんなこと考えてるとは思わず。
半年以上経って、何故か俺は井の頭公園でD君と5時間語った。
6年間友達してるのに、こんなに長時間話したのは初めてだった。
彼がこんなに語れる人だと思わなかった。
ちゃんと自分の考えは持ってるけど純粋な部分もあって。
その時俺は、ようやく「大学に入ってからも絶対こいつと一緒にバンドをやりたい!」って思えた。
技術的な問題は一ヵ月も練習すれば解決するもの。
俺はD君のもっと大切なものを見つけたような気がした。
勝手に。
彼は俺にこころ開いてくれてたのかな??
でもD君はセッションのことをきっかけに人を信頼できなくなっていた。
っていうことを、今日また井の頭公園で話してD君はきっぱり俺に言ってくれた。
何かD君が病んでるのは俺が原因っぽいなっていうのはうすうす気付いてはいたけど、今日そう断言してもらった。
そこで何故俺は真っ先に謝れなかったのかは謎。
彼はそれから大学に入ってからバンドをするかはわからないと言っていた。
何かショッキングだったなあ。
でも俺らはそれで気まずくなっちゃうような関係じゃない(と信じてる)!
結局OMやら本屋やらハシゴして結局5時間近く一緒にいた。
予期せぬことで一番身近な人を傷つけていたなあと思う。
これでD君の人生悪い方向にどんどん転がっていったらどうしよう。
んーーーーん…??
またね。