高校の卒業式まであと2週間を切ったところで、俺は部活の後輩らとあるライブハウスに遊びに行って、ライブをみてきた。名前も知らなきゃ顔もわからないバンド。歌声はまあまあだが演奏がひどすぎる。ボーカルがかわいそうだ。せっかくの歌声をこんな使い方するなんて。ライブ終了後、後輩らを先に帰して、俺はボーカルと話したいと思った。
「ちょっといいすか」
「はい?」
「ライブ見さしてもらいましたよ」
「あざっす。どうでした?」
「いい声してますね」
「いえいえ。今度新宿でまたライ」
「うちのバンドで歌わせてやるよ」
「は?」
「こんなバンドにいたんじゃどんだけライブしても仕方ないでしょ」
「いや俺は」
「また会いたいから、ハイ」
(電話番号を渡す)
「じゃあ」
…考えたら、電話番号を渡したって向こうから連絡が来るわけないじゃないか。と気付いたのは1週間後だった。しかし次の日。何と電話がかかってきた。
「もしもし」
「もしもし」
「この前のバンドのボーカルですけど」
「あどうも」
「今からあえないですか」
「あどうぞ」
「じゃあ場所は吉祥」
「今うちにこい」
「は?」
「〇〇〇〇〇〇〇(住所)」
「え」
ガチャ。
一時間後、到着。色々とロックンロールについて語り合い、意気投合した。バンドに新メンバーが加入した。
そして卒業式。俺らは卒業ライ
またね。